PBP 2019 走行編 前編
風は吹くさ、地球は回っているのだから
アップダウン、全ては波のリズム、平らなんてつまらない
眠いよ人間だから、寝るために走って芝生に倒れよう
トラブルはつきもの、知恵を使おう後で笑える
怖くはない、素晴らしい風景と人々に会えるから
ブルベの祭典 Paris Brest Paris (PBP)を走ってきました。
PBPの出場は2015年に続いて2回目。
サマリー
なぜ走るの?
とにかく旅が好き。私にとって自転車は旅だから。
ブルベとは?
ブルベとはノーサポート・自己責任の長距離サイクリングイベントで、タイムや順位には拘らず制限時間内での完走を認定するものです。 ブルベ(仏語 Brevet)は認定を意味します。参加者は事前に公表されているルートに従って走行し、指定されたチェックポイントを時間内に通過しゴールを目指します。(出典:AudaxJapan)
https://www.audax-japan.org/brevet/about_brevet/
PBPってなに?
4年に一度ブルベ発祥の地フランスで開催される1200kmの長距離ブルベ。
1891年から現在まで継承されている世界最古の自転車イベントで、ツールドフランスにも影響を与えた(はず)。最初はレースであった。お菓子の「パリブレスト」もこのイベントが所縁。今も先頭付近はレース状態でトップのバケモノ達はは42〜43時間で1200kmを走る。80h,90h,84hのカテゴリがあり、左記の順でスタートする。
私は90h、旅を楽しもう♪
なぜ、また走るの?
PBPはとにかく沿道の応援が凄いし、私設エイドなども出ます。VILLAINES-LA-JUHELなんて本当にお祭やっていて、高揚感が半端ない。あの感動をもう一度。
また、4年に1度ということで、4年前のPBPや他国のロングで知り合った人との再会も楽しみの一つ。What's up men!
計画と記録
TINTENIACでタイムオーバーしています😅 寝すぎた...
が、次のPCでリカバーすれば完走が認められます。大丈夫!
オデッセイ
1日目
ベースとなるホテルはMaurepasのメルキュール。
前日の車検でパンクしたので、本番は電車でRambouilletへ。ローカルの電車(地下鉄も)は輪行袋不要です。駅から石畳をスタート地点のランブイエ城へ。
前日、受付後Maurpasへの自走中にサイドカット。新品のチューブレスでしたが...
タイヤを外そうとするもののシーラントでくっついていて外れない。同行のNさんに外していただき、シーラントをウエットティッシュで拭いてタイヤブースト貼って、バルブを交換、チューブをツッコみCO2でビードアップ。
念の為、会場のブースで28Cのクリンチャーとチューブを購入。サドルバッグに突っ込んで走りました。
さて、我々90時間の先頭は17:15が最初のブロック。私はJ組みで18:15スタートなので、日本隊を見送りながら長い列に並びました。白いテントでブルベカードにチェックを受けてスタート。この先、ダートの道をフェンス越しにたくさんの観客がいてスピードを緩めハイタッチしながらのスタートです。
最初は日本の方と一緒にスタートしてちょっとずつ番手をあげます。天気は昨日と打って変わり晴天で気持ちいい。沿道にはちょこちょこ応援の方が見えます。特に坂の上に多いので頑張って上ります。
↓のような風景がずっと続いています。日本隊とも続々遭遇。日本は400人近いエントリーの大軍です。
日が暮れたらフランスの法律で基準に準拠した反射ベストを着なければなりません。
レジストレーション時にPBPベストを買うことができます。
100km先のモンターニュオペルシェ着(ここはPCではなく、サービスポイントです)
前回走った時、胸焼けに悩まされました。原因として考えられるのはボロネーズ。
今回、最初のレストランということで気を抜いていました。
パスタ?
ウィ!
ボロネーズ?
ウィ!
あ、やってしもた。
それとスープとパン。スープもパンも美味しいです。ボロネーズも美味しいけどね。
まだ走るのでカフェインが入ってそうなピーチティー。
PBPは食事、シャワー、ベッド(目覚ましサービスあり)は有償です。ちなみに6年前のLELは参加費に含まれていました。昨年のAlpi4000も寝床は含まれてはいます(食事は別だったような)が、ベッド事情は酷く、走っている合間にホテルや民泊を予約しました。
PBPのPCでの食事はレストラン、ラピッド、バーなどがあります。レストランはしっかり食べる時に使うべきで、急いでいるときはラピッドに行ってサンドイッチを食べた方が良いと思います。
食欲なくなってきたりしますが、夜にまだ走るのなら少しでも食べた方がいい。この先店があるとは思えませんから。
ボランティアスタッフの素敵な笑顔に迎えられ、ようやっと今日の宿泊地ヴィレンヌラジュエル到着(217km))。ここまで約9時間。信号がほぼない中、遅くも速くもないペース。あと1002km。今回、キューシートはダウンロードの仕方もわからず、タイムチャートは持たずに走りましたが、初日はヴィレンヌラジュエルで寝ることは決めていました。レースでないならば最初の晩はリズムを作るため寝た方が良いかと思います。
ラピッドでクロワッサンドショコラとカフェドショコラ。デセールはタルトデフロマージ。
ここはマットに毛布。シャワーは浴びずにアンダーを着替えて就寝。寒くなく、良い仮眠所でした。ただし、外は夜までお祭り騒ぎのアナウンスが聞こえます。耳栓は必須。Hさん夫妻も同部屋でしたね。子供達が遅くまでボランティアしていて、お礼にワンピースのお菓子をあげたらとても喜んでいました。
ボンニュイ
2日目
ボンジュール
夜明け頃にリスタート。自転車はロードバイクが最も多いのですが、リカンベントやタンデム、3人乗りバイク、三輪車、カウルで覆われた三輪車などもいて面白いです。
この辺りから、トレインを作りながら進みました。脚が合いそうな人の後ろで観察、頃合いをみて先頭交代で2人。この2人で前を抜いて行くと付きたい人が出てくる。合いそうな人には自分のお尻を指差して Come with us♪ 多国籍トレインができます。PCなどで休みたくなったら、Merciして離れます。
途中、PBP応援オブジェの向かいに私設エイドがあって止まりました。おっ、クレープ!ここではガレットと書かれていました。Galette saucisse ソーセージをガレットで巻いたものでPBP 中、良く見かけます。クレープやガレットはブルターニュ地方の名物です。美味い!
日中はパン屋さん巡りも楽しい。パンをほうばっていたら、パン屋の若旦那?がバッジをくれました。帰国してバッジをよく見てみるとNewJerseyのバッジでした。恐らく他のランドヌールにもらって、私にも「くれない?」って感じで見せてくれたのではと推測します。後ほど日本土産と一緒にバッジをパン屋さんに送ろうと思います(送りました)。フジェール城は要塞的なお城で、見学も面白いかと思いますが、時間が読めなかったので今回も見学はスキップしました。
トレイン組んで走っていると、外国人が流暢な日本語でこんにちは。デビッドさんですね。前回のPBPの時は90時間の前頭グループで一緒にイタリアトレインに必死に付いて行きましたが、あの時は私が先に落ちました。また会えて嬉しいです。
昨年のイタリアでハマった潰れた形の桃、今年もPCやお店で食べられました。丸い桃よりちょっとだけ高いのですが、カリッとした食感がたまりません。今年は丸くて毛のない白桃も凄く美味しかったです。こちらも硬いのが良い。
道端にはブラックベリーがなっています。1個だけ摘み食いしました。
ボンニュイ
MORTAGNE-AU-PERCHEかな。ココはベンチベッドで背中がちょっと寒かったです。
3日目
7時頃に夜が明けます。寒さ対策で雨具を着て走ったのですが、朝靄でしっとり濡れました。今回、グローブは指切りと起毛のテムレスのみ。朝露や夜の寒さにテムレス活躍してくれました。丘の上の私設エイドの側にブーランジェリー発見。バターたっぷりのリンゴのパイ、美味しかった。エイドではマダムやマドマーゼルがミネラルウオーターを振るまってくれます。Merci!
ブレストの手前には小高い丘があります。この手前のアップダウン辺りからイタリア人とトレインを組み何人か合流して助け合いながら進みました。大きな橋が見えたらブレストはもうちょっと。橋で止まり、イタリア人とボンジョルノと挨拶したらフランス人でした。
橋を通り丘を登るとブレストの街。パリブレストあるかなと坂の上の右手のブーランジェリーを覗いたけどありません。ん〜今年もブレストでパリブレスト食べれずか?
ブレストのPCに着くと、いーちょさんと再開。ブルベカードにスタンプだけ押してもらって、直ぐに裏から外出。前回は帰路のTINTENIACからモンサンミッシェルに寄り道しましたが、今回は灯台を見たい。フランスの先っぽを目指します。灯台はいくつかあるのですが、GarminにはPBPのシンボルの灯台と思われるサンマシューとプチミノーの灯台へのルートを入れています。街へ漕ぎ出すと、途端に車や信号の渦。途中ブーランジェリーを発見、なんとパリブレストありました。サンドイッチは、サンドする中身だけショーウインドウにディスプレイされていて注文してからバゲットを切って作ってくれます(この方法は日本でもやってほしい)。店内のテーブルでもぐもぐタイムをしていると、自転車で着たのか?と仏語で。そうさPBPを走っているのさと英語で返す。アンディウォーホール似のこのおじいさんも2度PBPを走ったと言っていました。大先輩です。
ブレストからはマシューもミノーも同じ方向ですが、途中で分岐があります。マシューに行けないこともありませんが、タイムアウトの時間を把握していないのでミノーだけにします。2人程、同じ意思を持ったランドヌール、ランドヌーズとすれ違いました。ん、パンク?同じ後輪ですが、サイドカットした場所とは別の所でのパンクです。タイヤをチェックしたら何個か石を噛んでいました。サドルバッグの重みと空気圧下げていたせいかもしれません。新品のタイヤだったのですが。
後編につづく、かも。